大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

札幌高等裁判所 昭和56年(ネ)175号 判決

控訴人

函館交通株式会社

右代表者代表取締役

畑中八美

右訴訟代理人弁護士

嶋田敬

菅原憲夫

嶋田敬昌

被控訴人

廣瀬義彦

右訴訟代理人弁護士

前田健三

右当事者間の解雇無効確認等請求控訴事件につき、当裁判所は、次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者が求める裁判

一  控訴人

「原判決を取消す。被控訴人の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決。

二  被控訴人

主文同旨の判決。

第二当事者の主張及び証拠関係

当事者双方の主張及び証拠関係は、次のとおり付加するほかは、原判決の事実摘示のとおりであるから、これを引用する。《以下証拠付加部分略》

理由

当裁判所も、被控訴人の本件請求はいずれも認容すべきものであると判断するものであり、その理由は、次のとおり訂正、付加するほかは、原判決の理由説示のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決の理由の二の冒頭部分(原判決の一四枚目裏六行目から一一行目までの部分)に挙示の証拠に、(証拠略)を加える。

二  原判決の、1 一七枚目表九行目の「信用できない。」の次に「当審における証人早坂慶治、同下田政明、同東竹裕の各証言のうちには、当該証人が被控訴人からアンケート用紙の配付を受けた旨の証言があり、(証拠略)には、右各証言と同趣旨の記載があるが、右各証言及び記載内容は、原審における証人高野和夫の証言、被控訴人本人尋問の結果に照らすと、たやすく信用できない。」を加入し、2 一七枚目裏三行目の「村田は」から同六行目の「配付した」までの部分〔労判三七一号61頁4段18行目~25行目〕を、「同月一一日ころから同月一六日ころまでの間に、村田は、午前八時一〇分ころ、控訴人の車庫出入口付近において、自動車に乗務して出庫してきた控訴人の従業員訴外石山孝二に配付したほか、同佐藤郁雄、同徳田誠、同小川慶春らに、高野は、同東竹裕、同下田政明らに、いずれも被控訴人の前記依頼と同じ内容の依頼をしてアンケート用紙を配付した」と改め、3 一九枚目表四行目〔62頁2段21行目〕の「以上認定の事実によれば」を削除し、4 一九枚目表五行目の〔同23~24行目〕「主張しているが、」の次に「以上認定の事実によれば、」を加入し、5 一九枚目裏五行目〔同3段13~14行目〕の「畑中社長に作成したので、」を「畑中社長に提出したので」と改め、6 一九枚目裏一〇行目〔同22~23行目〕の「認める旨理由書を」を「認める旨を記載した理由書を」と改め、7 二〇枚目表二行目〔同28行目〕の「前記(一)」を「前記2(一)」と改め、8 二三枚目表一行目から二行目〔63頁4段3行目〕にわたっての「一定期間」を「六か月間をおおよその基準とした期間」と改める。

三  原判決の、1 二四枚目裏七行目の「本件解雇」を「本件懲戒処分」と改め、2 二五枚目裏二行目〔64頁3段22~23行目〕の「鑑みれば、」の次に「実質的に」を加入し、3 二五枚目裏四行目から五行目〔同27~28行目〕にわたっての「とまでいえるものでないことが明らかである。」を「というようなものではなかったし、しかも、被控訴人が村田、高野らと、同人らが行う本件アンケート調査活動の具体的時期、方法についてまで協議したことを認めるに足りる証拠はない。」と改め、4 二六枚目表八行目の「その所要時間」から同末行の「従って、」までの部分〔同4段23~30行目〕を、「その一部に勤務時間中になされたものがあるけれども、これも、その所要時間や行為の態様に照らすと、実質的に控訴人の職場の秩序等に支障をきたすとまでいえるようなものではないから、」と改め、5 二六枚目裏六行目〔65頁1段11行目〕の「理由書」の次に「(始末書)」を加入し、6 二六枚目裏八行目〔同15行目〕の「何ら」を「特段」と改め、7 二七枚目表八行目から末行までの部分〔同2段4~12行目〕を削除し、8 二七枚目裏七行目〔同26行目〕の「前記1」を「右三1」と改め、9 二八枚目表一行目〔3段5行目〕「本件解雇」の次に「(成立に争いのない(証拠略)ならびに弁論の全趣旨によれば、本件解雇は、形式上普通解雇の方式を採ったもののごとく認められるが、その実質は懲戒のための解雇にほかならないことは上来説明したところから明白である。)」を加入する。

よって、被控訴人の本件各請求を認容した原判決は相当であるから、民事訴訟法第三八四条により本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担について同法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 石崎政男 裁判官 寺井忠 裁判官 吉本俊雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例